全身疾患と歯科との関係について

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全身疾患と歯科との関係について

2023年10月25日

全身疾患と歯科との関係性

「虫歯かもしれない」「歯がグラグラする」などで歯科医院を受診した時に既往歴(今までにかかった事のある病気・現在治療中の病気)や服用中のお薬について聞かれた事はありませんか?
「何故、虫歯治療で来たのにそこまで言わないといけないの?」「あまり持病の事はなしたくないな」と思う方もいるかもしれませんが、それはとても危険です。
病気やお薬によっては、歯科医院が知らないまま治療を進めてしまうと、生命の危険が生じたり、治療後に痛みや腫れが続いたり、治りが悪くなったりと、患者様が苦しい思いをされる事があります。
安心安全な治療の為に、持病やお薬の事を是非、教えてください。
今回は何故、持病やお薬と歯科治療が関係するのかについてお話させていただきます。

歯科治療では出血を伴う処置が複数あります。
特に、病気やお薬の情報が大切になるのは、抜歯やインプラント等の外科的な手術を受けられるときです。
今回は、高血圧症、血栓症、ステロイド剤の長期服用についてお話させて頂きます。

高血圧症とそのお薬について

Q:高血圧症とはどんな病気ですか?

A:心臓から全身へ血液が送り出されています。このとき血管の壁(血管壁)にかかる圧力を「血圧」と言います。高血圧症は血圧が高く、ホース内を勢いよく水が流れるように、血管にかかる血液の圧力が大きくなり、大きい状態のままにしておくと脳や心臓への負担となります。
最大のリスクは脳卒中や心筋梗塞、心不全があります。
脳の血管が破れてしまうと、脳出血やくも膜下出血により最悪死に至ります。

Q:お薬は何の為に服用が必要ですか?

A:血管にかかる圧力を下げる目的として【降圧薬】があります。
降圧薬には様々種類があり、それぞれ作用が異なりますが目的は同じです。

Q:歯科治療とどう関係しますか?

A:血圧は痛みやストレスを感じると高くなります。
痛みやストレスを感じると、血圧をコントロールするホルモンのようなもの(カテコールアミン)が沢山出て、血圧を上げてしまいます。
歯科治療で麻酔の注射や歯を抜く時など緊張されるかと思います。
その時にストレスを感じて血圧が普段よりも上がってしまいます。
この状態は高血圧症以外の方でも起こりえる事で「白衣性高血圧」といいます。
そして、高血圧症の方は、上記のような状態で更に血圧が上がってしまいます。
注意が必要なのは脳の血管への影響です。
内圧があがりパンパンになった血管が破れ、脳出血を起こしてしまう場合があります。

歯科医院からのお願い

*万一のトラブルを避ける為に、高血圧症の方、お薬を服用されている方は必ず教えて下さい。
*かかりつけ医を教えて下さい。
*現在の血圧を教えて下さい。
*歯科医院を受診前は、通常通りお薬を服用して下さい。

歯科治療が必要な場合は、血圧が高めの患者様は体調を見ながら治療を進めさせて頂きます。
血圧計で血圧を測定しながら安全に処置させて頂きます。
その為、血圧が下がるのを待つ為時間がかかる場合や時間をおいても血圧が上昇したままの場合は、緊急性のない治療の場合は延期させていただく事もあります。

血栓症とそのお薬について

Q:血栓症とはどんな病気ですか?

A:血管内に血栓(血の塊)ができ、血管を塞いでしまうことで起こる病気です。
血管が塞がるとその先の細胞に栄養が届かずにやがて壊死してしまいます。
脳や心臓の血管が詰まって脳梗塞や心筋梗塞になった場合、命にかかわります。
血栓には2種類あり、動脈と静脈でできる血栓が異なります。

Q:お薬は何の為に服用が必要ですか?

A:血栓症の発症を抑制する目的として【抗血栓薬】があります。
いわゆる「血をサラサラにするお薬」です。
動脈で血小板が固まらないようにするのを抗血小板薬といい【バイアスピリン】が有名です。
静脈では赤血球とフィブリンが固まらないようにするのを抗凝固薬といい【ワーファリン】が有名です。
上記以外にも血栓の形成を予防するお薬や出来てしまった血栓を溶かすお薬など様々あります。

Q:歯科治療とどう関係しますか?

A:抜歯やインプラントなど外科的な処置を受ける時に影響します。抜歯の際は大きな血管を切る事はないものの、それでもじわじわと出血が続きます。
多数の歯を抜かないといけない場合などは、必要に応じて歯科口腔外科にて処置されるのが望ましい場合もあります。

歯科医院からのお願い

*万一のトラブルを避ける為に、血栓症の方、お薬を服用されている方は必ず教えて下さい。
*かかりつけ医を教えて下さい。
*血栓ができる可能性があるため、自己判断で休薬はしないでください。

外科処置が必要な場合は、止血の為にお時間をいただきます。
抜歯の場合、通常は歯を抜いた穴にガーゼを詰めて15分くらい噛んでいただければ血は止まりますが、抗血栓薬を飲んでいる場合は30分以上噛んでもらう場合もあります。

ステロイド剤を長期服用について

Q:ステロイド剤ってどんな薬ですか?

A:「ステロイド」とは、腎臓の上端にある副腎で作られる副腎皮質ホルモンの一種です。
これは体の中の炎症を抑えたり、免疫反応を抑える強い作用があります。
このホルモンがもつ作用を薬として応用した物がステロイド剤です。
からだの炎症や免疫反応を抑えるのに、体内で作られるステロイドだけでは足りない時に使用されます。
ステロイド剤の使用は自己免疫疾患の方が特に多いです。
例えば、免疫の異常により関節に炎症が起きて、痛みや腫れが生じる病気に関節リウマチがあります。
ステロイド剤は過剰な免疫反応と炎症を抑え、痛みや腫れを緩和させます。

Q:歯科医院とどう関係しますか?

A:ステロイド剤を長期服用されているかたは、炎症や免疫反応が起きにくくなるので、細菌感染が起きやすくなります。
その為、抜歯後や手術後の傷が治りにくく、膿んだり腫れたりしやすいです。
また、治療のストレスが大きくなることもあります。
歯科治療に限らず、医療行為は体にストレスを与えます。
副腎皮質ホルモンは、そうしたストレスが与える影響を軽減する作用があります。
しかし、長期服用は副腎皮質ホルモンの分泌を抑えますので、その結果、抜歯やインプラントなどの治療後に、発熱や嘔吐感、筋肉の痛み、血圧の低下といった体調の悪化を覚える事があります。

歯科医院からのお願い

*万一のトラブルを避ける為に、ステロイド剤を服用されている方は必ず教えて下さい。
*かかりつけ医を教えて下さい。

通常よりストレスがかかる外科処置が必要になる場合、細菌感染を防ぐ為に抗菌薬を通常より多めに飲んでいただいたり、予防投与として事前に服用してもらう事もあります。
また、ステロイド剤を通常より多く服用して頂く事(ステロイドリカバー)もあります。
こちらが必要かは医科の先生が決めますのでステロイド剤服用中の方は必ずお伝え下さい。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は高血圧症と血栓症とステロイド剤についてお話させて頂きました。
他にも注意したい骨粗しょう症と糖尿病については次回お話させて頂きますのでそちらも併せてご覧になってくださいね。
持病とお薬は意外なところで歯科治療に関係してきます。
めったにないとはいえ命にかかわるケースもありますので、歯科受診の際は必ず持病やお薬についてお伝えいただければと思います。
何種類も服用しているとうっかり忘れてしまう事もありますのでお薬手帳をご持参してくださいね。
安心安全な治療の為に、正確な問診にご協力お願い致します。

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