歯を白くしたい!そんなあなたに合った白くする方法《後編》
2025年9月9日
城東区にある歯科・歯医者のしぎの歯科です。
前回の《中編》では、「変色した歯をホワイトニングで白くする方法」についてご紹介しました。
今回は《後編》として、ホワイトニング以外の方法で歯を白くする治療について解説いたします。
変色の原因によって治療法は異なります
歯の変色にはさまざまな原因があり、中にはホワイトニングだけでは改善できないケースもあります。
例えば、虫歯による変色、歯の形成不全や形態異常にともなう変色などがそれに該当します。
こうしたケースでは、変色の原因に応じて、適切な治療を行うことが大切です。
虫歯による変色を白くする
虫歯は歯の痛みや構造的なダメージだけでなく、見た目にも影響を与えます。
初期の虫歯では、エナメル質の表面下からミネラル成分が溶け出し、「ホワイトスポット」と呼ばれる白い斑点が現れることがあります。
このような場合は、
・フッ素を配合した溶液やバーニッシュ(上塗り剤)を塗布して、ミネラルを再取り込みさせる「再石灰化療法」
・酸処理後にレジンを浸透させて変色を目立たなくする方法
などを用いて対応します。
進行した虫歯では、病変部が黄色〜褐色、あるいは黒褐色に変色します。
象牙質まで進行した場合は、虫歯部分を完全に除去し、詰め物(レジンや金属など)で修復します。
できる限り自然な色合いの素材を使用しますが、虫歯の位置や大きさにより、耐久性を優先して金属を使用することもあります。
近年では、CAD/CAM技術を用いて、自然な色合いかつ高強度なレジンブロックを削り出して詰め物や被せ物を作る方法も普及しており、一部は保険適用も可能です。
形成不全による変色を白くする
歯の形成期に何らかの影響を受けると、エナメル質や象牙質が正常に形成されない「形成不全」が起こることがあります。
このような歯は軟らかく、摩耗しやすいため、乳白色や褐色に変色しやすく、表面の粗さから着色もしやすくなります。
象牙質形成不全がある歯では、エナメル質が剥がれやすく、透明感の強い灰褐色でオパールのような光沢を帯びるのが特徴です。
また、「Turner歯」と呼ばれる状態では、乳歯の根の病変が永久歯の芽に影響を与え、エナメル質の形成不全を起こします。
これにより、前歯や小臼歯が白、茶、黄色などに変色し、重度の場合は象牙質が露出することもあります。
治療法としては、
・表層の変色部を研磨して取り除く
・変色部分を削ってコンポジットレジンで詰める
・歯の形態の異常がある場合は、ラミネートべニアや被せ物での補綴
など、状態に応じた方法で対応します。
金属イオンの溶出による変色を白くする
アマルガムなどの金属製の詰め物や被せ物から金属イオンが溶け出し、歯が変色する場合があります。
銀イオンでは黒色、銅イオンでは緑青色の変色が見られます。
このような場合は、変色した部分を除去し、新たに詰め物や被せ物をやり直すことで審美性を回復させます。
酸蝕による変色を白くする
柑橘類や酢などの酸性食品・飲料の摂取、または胃酸の逆流などにより、歯の表面のミネラルが溶け出すことを「酸蝕」と呼びます。
酸蝕歯では、エナメル質が薄くなることで、内側の象牙質の色が透け、歯が黄色っぽく見えるようになります。
対応方法としては、まず以下を行います:
・食習慣・服薬・既往歴などの問診
・酸蝕の進行を抑えるための生活指導
・高濃度フッ素入り歯磨き剤の使用
・飲食後の口腔ケアの指導
それでも改善が難しい場合は、詰め物などで審美性の回復を図ります。
いかがでしたでしょうか?歯の変色は、その原因によって最適な治療法が異なります。
ホワイトニングだけでは白くならない場合でも、専門的な診断と治療によって、自然な白さと美しさを取り戻すことが可能です。
当院では、変色の原因をしっかり見極めたうえで、患者さま一人ひとりに合った治療をご提案いたします。
・ホワイトニングで効果が出なかった
・虫歯・金属・酸蝕による色の変化が気になる
・見た目をきれいに整えたい
こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談くださいね。