ぐっすり眠って歯を守る♪ ナイトガードのお話
2025年11月25日

城東区にある歯科・歯医者のしぎの歯科です。
みなさんは「ナイトガード」という言葉を聞いたことはありますか?
歯科医院で作ることができ、眠っている間につけるマウスピースのことです。
実はこのナイトガードは、歯ぎしりやくいしばりから歯を守るだけではなく、ぐっすり眠るためにも大切なアイテムです。
しかし、正しく使わなければ効果が薄れてしまうこともあります。
今回は、「ナイトガード」がどのようにして歯を守るの、使用時の注意点や上手な付き合い方をご紹介させていただきます。
目次
そもそも「ナイトガード」ってどんなもの?
ナイトガードは歯に装着するマウスピースの一種で、睡眠中の歯ぎしり・くいしばりから歯や詰め物・被せ物を守るために装着します。
マウスピースは他にも、矯正治療用や睡眠時無呼吸を予防するためのものなど、さまざまな種類がありますが、それらとは異なります。
歯科医院で作るものは、材料によって2つのタイプに分けられます。
歯科医院で作るナイトガードは、ハードタイプとソフトタイプの2種類に大別されます。
どちらを選択するかは、患者さんの症状によって変わります。
適切に使用していないと、嚙み合わせや歯並びが変わってしまうこともあると報告されています。
【ソフトタイプ】
・EVA(エチレン 酢酸ビニル共重合体)と呼ばれる材料で作られています。
・柔らかく、違和感は少なめです。
・噛みしめやすいため、かえって力を入れて嚙みこんでしまうかたもいます。
・材質の特性上、ハードタイプより劣化しやすいです。
・乳歯と永久歯が混在していたり、グラグラしている歯があるなどの理由でかたいものを入れられないかたに使用することもあります。
・ソフトタイプで様子をみながらハードタイプに変えていくなど、併用して使うこともあります。
【ハードタイプ】
・レジンで作られています。装置自体に強度があり、もし欠けてしまっても修理がしやすいです。
・かたい材質なので、慣れるのに時間がかかるかもしれません。
・装着に慣れ、違和感がないようであれば、ハードタイプがよいでしょう。

ナイトガードはどうやって作るの?
ナイトガードは市販されているものもありますが、歯科医院で作るものとはまったく異なります。
ナイトガードを使うべきお口の状態なのか、いつまで使ったほうがよいのかなどは、お口の専門家でなければわかりません。
気軽に市販品を手にするかたもいるかもしれませんが、かえって噛み合わせが悪くならないか心配です。
そのため、ナイトガードは歯科医院で作ることが大切です。
【作り方】
➀歯科医院では、型を取るなどして、患者さんの歯並びにピッタリなナイトガードを作ります。オーダーメイドで作るナイトガードです。
②お口やナイトガードの状態を管理してもらえます
歯科医院で作ったナイトガードは、形が合わなくなってきたら調整をしたり、何か異常が出ていないかなどを、定期的に歯科医院で確認してもらえます。
ナイトガードを装着することでかえって支障が出ていないかなどもみてもらえます。

何故、ナイトガードが必要なの?
睡眠中の歯ぎしり・くいしばらから歯を守るためです。
・歯ぎしりは、上下の歯を横や前後にギリギリと音を立てながら動かすこと(グライディング)です。
くいしばりは、上下の歯を強く噛みしめること(クレンチング)です。
この両方が混在することもあります。
・歯ぎしりやくいしばりが続くと、歯が削れたり、詰め物・被せ物が破損したり、また歯の周りの組織(歯周組織)や顎関節などにも影響を及ぼすことがあります。
とくに睡眠中の歯ぎしりでは無意識にあごが動くため、起きているときよりも大きなダメージを与えます。
ナイトガードは、これらの影響を防ぐために装着します。
・ただしナイトガードは、歯ぎしり・くいしばりの根本的な原因を改善できるわけではありません。

どうやって歯を守ってくれるの?
ではナイトガードはどのようにして、歯ぎしり・くいしばりから、歯や詰め物・被せ物、周りの組織などを守っているのでしょうか?
ナイトガードは装着することによって、主に2つの効果を発揮します。
➀歯のかわりに削れてくれる
歯と歯の間に介在することで上下の歯の直接の接触を防ぎ、歯の代わりに削れてくれます。
②噛む力を分散させてくれる
現在多く用いられているナイトガードは、スタビライゼーション型といいます。
このタイプでは、上の歯を全てナイトガードで覆います。
ナイトガードが下側の歯に均等に当たることで、噛む力が部分的に集中するのを防いでくれます。
何故、歯ぎしり・くいしばりは起きるの?
・起きているときは、集中や緊張などのストレスにより無意識に力強くくいしばることがあります。
・睡眠中の歯ぎしりは、深い眠りから浅い眠りに移行するタイミングで起こると言われています。大人の場合では、無呼吸などの睡眠中の異常を脳が感知し、覚醒を促すために歯ぎしりを起こさせている可能性もあると報告されています。
・強い力だけでなく、弱い力で上下の歯が触れ合っていることもあります(「TCH」と呼びます)。長期間にわたるTCHは、顎関節症の原因になると言われています。
・歯のすり減りや知覚過敏が起こることもあります。
病的な歯ぎしりは、呼吸障害も関与しているかもしれない
繰り返される就寝中の歯ぎしりは「睡眠関連運動障害」という病気の1つです。
この病気があるかたは、「睡眠関連呼吸障害(いびきや睡眠時無呼吸など)」も患っていることが多いです。ナイトガードを使っていて、いびきなどを指摘されるかたは、睡眠関連呼吸障害を併発していることがあります。気になるかたは、睡眠外来などの専門的な機関で診てもらうことをおすすめします。
(*成長期にある子供においては、歯ぎしりはよくあることです。気にしすぎる必要はありません。)
ナイトガード使用時のケアや管理のポイント
その①お口の中を綺麗にしてからつけましょう
食べかすなどが残った状態でナイトガードをつけると、虫歯や歯周病のリスクがあがります。お口の中を綺麗にしてから装着しましょう。
その②専用の洗浄剤で洗いましょう
専用の洗浄剤や洗浄スプレーを使用して綺麗にしましょう。
その③ハードタイプは濡れた状態で保管しましょう
乾燥に弱いため、保管時は濡れたティッシュにくるんでケースに入れておきましょう。
水に浸けてもよいですが、日中置いておくことになるため、水質の悪化に注意してください。
その④ソフトタイプは暑い所へ放置しないようにしましょう
ソフトタイプは、特に熱に弱い素材が用いられています。熱湯での消毒や炎天下の車の中など暑い場所に放置することは避けましょう。
また、保管時には、乾燥させておく必要があります。
その⑤落としたり、圧力をかけたりするのは避けましょう
床に落としたら割れてしまうことがあるくらいデリケートな素材でできています。
取り扱いには注意しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ナイトガードについてご紹介させていただきました。
ナイトガードを使用しても完全に歯ぎしり・くいしばりを改善することは難しいです。
しかし、日中の歯ぎしり・くいしばりを改善することは、睡眠中の改善にもつながります。
そのため日中に歯ぎしり・くいしばりをしないように意識することが大切です。
今この瞬間、歯と歯がくっついていませんか?
もし、歯と歯が合わさっている場合は顎をリラックスして歯と歯は離してくださいね。
しぎの歯科では、患者さん一人ひとりにあったナイトガード作りとサポートを行っています。気になる方は、どうぞお気軽にご相談くださいね。







