大変!歯をぶつけてしまった時の対処法とは!?
2024年9月5日
お子様は成長にともない、お子様は活発に動き回るようになっていくようになります。
そんな時に怖いのが、転んだりぶつけたりして起こる【歯のケガ】です。
もしものときに備えて、お子様が歯をぶつけてしまった時の対処法について、ご紹介をさせていただきます。
お子様の歯のケガの原因の第一位は【転倒】です!
まずはどんな時にお子様が歯やお口のケガをしやすいのでしょうか?
お子様の年齢にもよりますが、意外と多いのが「自宅の床でこけて」というケースです。
お子様は相対的に頭が大きく、重心も高いために転倒しやすいのです。
2歳くらいまでの小さいお子様は、自宅のフローリングの床にすべって転び、歯やお口をぶつけてしまうことが多いです。
また、自宅の階段で落ちたり、何かにつかまり、立ち上げる時に、身体を支え切れずに倒れてぶつけてしまうお子様もいます。
幼稚園から小学校1~2年生くらいまでのお子様は、すべり台や鉄棒など、学校や公園の遊具でぶつけてしまうことが多いです。
鬼ごっこをしていて鉄棒に顔をぶつけたり、すべり台の上でふざけて顔から落ちてしまうお子様もいます。
もう少し上の年代になると、運動場や校庭でぶつけることが増えます。
サッカー中にぶつけたり、友達の肘が顔に当たったり、野球の外野フライを取り損ねて、ボールが顔に当たったりなど、様々です。
他にも、自転車に乗っている時にこけて顔を打ったり、自転車が溝にはまって倒れてぶつけることもあります。
お子様が歯をぶつけた時の対処法の流れとは
まずは、お子様が歯やお口をぶつけた時は親御さんがあわててしまい、しっかり対処ができなくならないように、親御さんが落ち着く事が大切です。
そして、どうするべきか流れをご紹介させていただきます。
①ぶつけて歯が抜けてしまった。又は、歯が折れてしまった。
②お子様に意識がなかったり、もうろうとしていないかを確認しましょう!
また、意識はあっても普段と違う所がないかもチェックしましょう。
例:興奮・眠りがち・反応が鈍い・同じことを何回も言う
意識がない場合→救急車(119番)を呼んですぐに救急病院を受診してください。
*必要に応じて心臓マッサージやAEDを行う。
③意識がある場合は、お口以外に頭や顔にケガがないか確認しましょう!
ケガがある場合→口腔外科のある病院を受診してください。
④ケガがない場合はお子様がどの状況なのかを確認しましょう!
Ⅰ、歯が抜けている・歯が折れている
→抜けて歯・折れた歯を探してください。歯がある場合は牛乳や保存液、生理食塩水に
つけて、歯の保存を行いましょう。
*抜けた歯を戻すためには大切な【4つのない】を守りましょう!
【捨てない】
抜けた歯や折れた歯がみつかった場合、捨てずに歯科医院に持ってきてください。
必ず成功するとは限りませんが、抜けた歯は元の場所に戻せる可能性がありますし、
欠けた歯はくっつけることができます。
ただし、抜けた歯を歯科に持参いただくときは、次のことに気をつけてください。
【洗わない】
抜けた歯に土や砂がついていても、水道水で洗う必要はありません。
むしろ、綺麗に洗ってはいけません。
抜けた歯の根には、歯根膜という組織が付着しています。この歯根膜が落ちてしまう
と、顎の骨に歯がくっつきません。土や砂は歯科医院で、歯根膜を落とさないように
慎重に洗い流しますので、抜けた歯はそのまま洗わずにお持ちください。
【歯の根に触らない】
歯の根に触ってしまうと、歯根膜が傷つきます。ですから、向けた歯を持つ時は、歯
の噛む部分を持ちましょう。
【乾燥させない】
歯根膜が乾いてしまうと、細胞が死んで、歯が骨にくっつかなくなります。
歯根膜を乾燥させないように、牛乳や保存液に浸してお持ちください。
それらがない場合は、コップに溜めた唾液や、生理食塩水に浸してもいいです。
ティッシュでくるむのは、乾燥するのでやめましょう。
また、折れた歯もくっつけられる可能性がありますので、お持ちください。
Ⅱ、歯がグラグラしている・歯の位置がズレている(かみ合わせがおかしい)
→歯を指で触らない。強く口を閉じないようにしてください。
Ⅲ、歯茎や唇が切れている
→ガーゼやティッシュ、ハンカチを押し当てて止血を行ってください。
*Ⅰ・Ⅱ・Ⅲどの状況であっても、歯科医院にあらかじめ連絡していただき、できるだけ急いで受診してください!
ぶつけてから早めに対処するほどお口に戻せる(再植)確率が高まります。ですので、できるだけ早くお子様を連れてきてくださいね。
では、歯科医院ではどんな治療を行うのでしょうか?
Ⅰ 歯が抜けたパターン
ぶつけてしまい、歯が根っこから抜けてしまいました。
①元の位置に戻す
→麻酔をしてから、持ってきていただいた歯を元の場所に入れなおします。
傷口を縫い合わせます。
②固定する
→樹脂(レジン)やワイヤーで隣の歯と固定します。
③歯の動揺が止まれば、固定を外し、傷口が治れば縫合糸を外します
④経過観察
→固定や縫合糸が外れた後も、治療の経過を見守ることは欠かせません。
Ⅱ 歯の位置がズレたパターン
ぶつけて歯がめり込んだり、傾いたり、捻じれてしまいました。
①元の位置に戻す
→麻酔をしてから、歯を元の位置に戻します。
傷口は縫い合わせます。
②固定する
→樹脂(レジン)やワイヤーで隣の歯と固定します。
③歯の動揺が止まれば、固定を外し、傷口も治れば、縫合糸を外します。
④経過観察
→固定や縫合糸が外れた後も、治療の経過を見守ることは欠かせません。
Ⅲ 歯が折れたパターン
ぶつけて歯が欠けてしまいました。
①接着する
→持ってきていただいた欠けた歯を接着します。
②経過観察
→こちらも、治療の経過を見守る事はかかせません。
治療後の経過観察の重要性について
歯が元通りに位置に戻り、固定のワイヤーや樹脂がとれたとしても、それで「よかった、元に戻った!」ではありません。治療した歯には、次のような変化が起こることがあります。
こうした変化にいち早く対応できるように、治療が終わった後も、経過観察が必要になります。
*歯の変色
一番多いのは、「歯の変色」です。ぶつけた歯の中で血液が流れなくなり、血液が固まります。それがエナメル質(歯の表面)に透けて、黒や茶色に変色して見えます。
変色が自然に改善しない場合は、歯の神経がダメになっている可能性があります。
ダメになった神経を放置すると、歯の寿命にも影響します。そのため、歯の根の治療を行います。
乳歯の変色は、血流が回復して神経が再生すると、元に戻る事もあります。
*歯のグラグラ
元の場所に戻した歯は、歯の神経に細菌感染が起きると、グラグラと動くようになっていきます。歯茎が腫れて膿が出たり、周りの顎の骨が減ってしまいます。
この場合も歯の根の治療を行います。
*後に生えてくる永久歯への影響
乳歯をぶつけた場合、後に生えてくる永久歯に影響がでる可能性があります。
例えば、永久歯が生えてこなくなる、永久歯の形成が途中で止まる、生える方向が変わってしまうなどです。永久歯の芽(歯胚)に乳歯の根がぶつかったところで変色することもあります。
乳歯をぶつけたら、きちんと永久歯に生え変わった事を確認できるまで、経過観察を受けましょう。
*歯の根への影響
永久歯をぶつけた場合、歯の根が顎の骨の内部で吸収されてしまうことがあります。
そのまま気づかずにいると、だんだん歯の根がなくなっていき、やがて歯が抜けてしまいます。
他にも、歯の根が顎の骨と癒着してしまうこともあります。歯の根が骨とくっつくと、成長期にその歯だけ動かなくなり、歯並びが乱れる一因となります。
いかがでしたでしょうか?
今回は大切なお子様が歯をぶつけてしまった時の対処法についてご紹介させていただきました。もしもの時に、このコラムを思い出して、落ち着いて対応していきましょう!