唾液について知りましょう

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唾液について知りましょう

2024年8月29日

唾液について知りましょう

今年も暑い夏の時期がやってきましたね。
暑さから発汗量も増え、それにより身体全体の水分量も減ってしまいます。
唾液の分泌量も同時に減ってしまうことになります。
唾液が減ってしまうとお口の中にはどんな影響があるのでしょうか?
普段は意識しない、あまり関心のないものだと思われますが、実はお口の健康を日々守っている隠れたヒーローなのです。
今回は、そんな唾液とお口の関係についてご紹介させていただきます。

唾液の様々な働き

唾液は、1日に1~1.5リットルも分泌されています。
唾液には、お口の粘膜の保護など様々な働きがあり、お口や歯をはじめ、私達の身体全体を人知れず守ってくれています。

唾液の働きイメージ

唾液の働き①潤滑作用

歯茎や舌などの粘膜を保護して傷つかないようにする事や食べること、しゃべることをスムーズにする役割があります。

唾液の働き②消化作用

アミラーゼという消化酵素がデンプンを分解し、消化を助ける役割があります。

唾液の働き③抗菌作用

お口の中にはおびただしい量の細菌が存在し、口は感染の入り口ともいえます。
唾液の洗浄作用と抗菌作用で虫歯菌や歯周病菌などの細菌の活動を抑制させます。

唾液の作用④洗浄作用

食べカスや細菌を洗い流して、お口を清潔に保つ役割があります。
唾液が減り、口の中が汚れやすくなると細菌が繁殖しやすくなります。そうすると細菌の塊であるプラークが増えて、虫歯や歯周病といったお口の病気になりやすくなってしまいます。

唾液の作用⑤緩衝作用

お口の中には元々中性のpHですが、飲食をすると、お口の細菌の出す酸や飲食物の酸により、pHが酸性に傾き、歯の成分が唾液中に溶け出していく脱灰の状態になります。
唾液中の重炭酸イオンは、お口の中のpHを中性に戻す作用があります。
上記以外にも細菌をお口の中から排出する作用など、虫歯や歯周病から歯を守る働きも沢山あります。
また、唾液内の糖タンパクにより歯の表面に形成されるぺリクルは、歯を保護します。
さらにぺリクルはお口の粘膜を修復する成分も含んでおり、傷を治す作用もあります。

唾液の減少による影響とは

「口が乾く」ことは、一次的な場合もありますが、慢性的なものは「ドライマウス」という病気です。
さらに、唾液が減るとその働きも弱くなります。
そして、虫歯や歯周病のリスクも高くなってしまいます。
唾液の量が減少すると、お口の乾燥感やネバつき、話しづらさ、乾いた食べ物の噛みづらさなどを感じます。
とはいえ、自分のお口の中が乾燥状態にあるのかいまいちわからないという方もいるかもしれません。下記の画像に示すような異変は口腔乾燥のサインです。

口腔乾燥のサイン

口腔乾燥のサイン

そして、唾液の量が減ると、お口の洗浄作用が少なくなり、いつまでも食べ物がお口の中に残ってしまいます。
また、飲食物によって下がったpH値がなかなか元に戻らなくなり、歯の表面のカルシウムが溶けだすエナメル質の脱灰が進んでしまいます。
さらに唾液に含まれる抗菌物質やタンパク質の量の減少、歯を保護するぺリクルも形成されにくくなることでお口の中が菌に弱い環境になってしまいます。
このように、唾液の減少によって様々な作用が弱まるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなっていきます。

唾液が減る原因

唾液は、自律神経からの指令が唾液腺に伝わり、血液を元につくられます。
ですから、唾液が少なくなる原因は、自律神経の問題、唾液腺の問題、血液の量の問題など様々です。
また、原因が一つだけではない場合もあります。
薬の副作用でお口の乾きがみられる場合もあります。
その際は、自己判断で服用を中止するのは危険ですので主治医に相談してくださいね。

唾液分泌の仕組み

では、唾液が分泌される仕組みを工場での製品加工に例えてみましょう。
唾液をつくる【工場】が唾液腺です。
この【工場】で【材料】である血液を使って、唾液をいう製品が作られます。
さらに、【工場】を動かす指令を出す、【司令部】の役割は自律神経が担っており、【工場】の稼働状況と、【材料】を【工場】に運び込む量の調整をしています。
唾液が少なくなる原因は、【工場】の唾液腺が傷んでいる、【司令部】の自律神経のバランスが乱れている、【材料】の血液をうまく運べていないなどがあります。
原因の特定には、唾液量の測定、唾液腺の画像検査、血液検査など様々な検査が必要になります。

唾液が作られる流れ

唾液が減りやすい方

口腔乾燥症の専門外来を訪れる患者さんは圧倒的に女性が多く、約8割ほどを占めています。
女性は、45~55歳頃に女性ホルモンが低下するため、閉経し、更年期を迎えます。
この女性ホルモンの低下が口腔乾燥感と関連していると言われています。
また、高齢になると、高血圧、脂質異常症、不眠症、頻尿など様々な病気を抱える方が増えます。
それらの治療薬の副作用や、糖尿病や甲状腺疾患などの病気そのものによってお口の乾きが引き起こされるため、お口の乾燥を訴える方が多くなります。
さらに最近では、若年層にもストレスが原因のお口の乾燥がみられるようになってきています。
ストレスがかかると交感神経が強く働き、交感神経への刺激が唾液腺に伝わり、水分の少ないネバネバした唾液が分泌されます。
例えば、人前で話すときに緊張すると交感神経が優位になり、口が乾燥し、ネバつくことがあります。

唾液が減りやすい方

唾液量を増やす方法

口腔乾燥症の治療として、医師や歯科医師からの唾液の分泌を改善する薬や漢方薬などを処方してもらうことができます。
また、薬の副作用が原因の場合は、主治医へ薬の減量・変更の依頼状を歯科医師が作製する事もできます。
患者さん自身ができるケアは、唾液腺のマッサージや保湿剤の使用があります。
また、よく噛むようにするなど生活の中でもちょっとした工夫をするだけでも、口腔乾燥感の改善につながります。
唾液腺は、筋肉のように使わないと衰えていきます。
唾液の分泌機能が低下してしまいます。
その予防には、唾液腺の刺激が有効となります。
よく噛んで食べるなどお口の中を刺激すると唾液腺も刺激されます。
また、噛む刺激は自律神経にも伝わり、それが唾液分泌の指令を出す事にもつながります。
食材を大きく切ったり、噛み応えのある食品を選ぶなど、咀嚼回数を増やす食べ方の工夫も効果的です。
そして、唾液は血液に由来するため、唾液を増やすためには、何をおいても水分をしっかりとりましょう。

唾液マッサージについて

唾液腺を直接刺激するには唾液腺マッサージが有効です。
食事の前に行うと効果があると言われています。
刺激する場所は【耳下腺】【舌下腺】【顎下腺】の三ヶ所です。
マッサージというとゴリゴリ押すというイメージがあるかと思いますが、強く押しすぎると、かえって顎関節や軟組織を傷める可能性があります。
あくまでも優しい力加減で行う事が大切です。

【耳下腺のマッサージ】

親指を耳の後ろに、人差し指か小指までの4本の指を頬にあてて、円を描くように優しく動かす。

【舌下腺&顎下腺のマッサージ】

両手の親指を揃えて顎の下のくぼみにあてて、舌を優しく押し上げます。
同様に顎の内側も優しく押し上げます。

唾液腺マッサージ

おわりに

いかがでしたでしょうか?
今回は唾液の働きについて詳しくご紹介させていただきました。
水分を取る・よく噛む・唾液腺マッサージをするなど生活の中で簡単に取り組める内容もあるので実践してみてください。
そして、唾液を沢山だして、今年も暑い夏を乗り切りましょう!

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