CSTPC OB会に参加して|時間は有限、学び続けるということ
2026年10月7日
先日、現在学ばせていただいているCSTPCのOB会に参加させていただきました。
すでにコースを卒業され、その後も学び続けておられる先生方の症例発表を拝見し、多くの学びと刺激をいただく一日となりました。
一つひとつの症例に対して、
なぜこの診断に至ったのか。
なぜこの治療計画を選択したのか。
治療後、この状態をどのように長期的に維持していくのか。
さまざまな角度から考え抜かれた症例を拝見すると、自分自身の診療についても改めて考えさせられます。
「予知性の高い治療」を目指して
歯科治療では、悪くなったところを治すことはもちろん大切です。
しかし私自身、年齢を重ね、さまざまな患者さんを長く診させていただくようになる中で、
「治療したその日が良ければ、それで終わりではない」
ということを以前にも増して考えるようになりました。
5年後、10年後、その先まで。
できるだけ良い状態を維持するためには、今、何を診て、何を考え、どのような治療を選択するべきなのか。
一本の歯だけを見るのではなく、噛み合わせや歯周組織、骨格、顎の位置、患者さんの年齢や生活背景まで含めて考える。
もちろん、未来を完全に予測することはできません。
それでも、できる限り予知性の高い治療を目指して考え続けることは、歯科医師として大切な責任の一つだと思っています。
そのような同じ志を持つ先生方が集まる空間には、独特の緊張感があります。
自分自身の知識や技術がまだまだ足りないことにも気付かされます。
だからこそ、そのような場所に身を置かせていただけること自体が、とてもありがたいことだと感じています。
3年前に感じた「時間は有限」ということ
私がこのOB会に初めて参加させていただいたのは、3年前でした。
その時に強く感じたことがあります。
それが、
「時間は有限である」
ということでした。
歯科医師として仕事ができる時間も、決して無限ではありません。
その限られた時間の中で、自分はどこまで成長できるのだろう。
どこまで患者さんのために考えられる歯科医師になれるのだろう。
そんなことを考えました。
そして、
学びを続けながら、患者さんにとって何が最良なのかを考えて、考えて、考え抜き、自分ができる最良の治療を提案し、実践しながら年齢を重ねていきたい。
そう思ったことを、今でも覚えています。
あれから丸3年。
少しは前に進めた部分もあると思います。
一方で、学べば学ぶほど、自分に足りないものにも気付きます。
知れば知るほど、その先にまた知らないことがある。
まだまだ道半ばです。
そして、先は長い。
でも、それでいいのだと思っています。
一気にたどり着くことはできなくても、
諦めず、一歩一歩進んでいく。
今の自分にできることは、それしかありません。
症例発表から学ぶ意味
今回も、先生方の素晴らしい症例発表をたくさん拝見しました。
完成した治療結果を見ると、どうしてもその美しさや技術に目が行きます。
しかし、本当に勉強になるのは、その結果にたどり着くまでに、
「何を診て、何を考え、なぜその治療を選択したのか」
という思考の過程だと思っています。
そして、うまくいったことだけではなく、悩んだことや反省点、その後の経過まで共有していただける。
そこに症例発表を通して学ぶ大きな意味があります。
自分とは違う考え方に触れることで、
「自分だったらどうするだろう」
と考える。
その繰り返しが、少しずつ自分自身の臨床の引き出しを増やしてくれるのだと思います。
分野は違っても、プロフェッショナルに共通するもの
OB会の後半では、歯科とは異なるさまざまな分野で活躍されているプロフェッショナルな方々のお話を聴かせていただきました。
そこにも多くの学びがありました。
昭和、平成、令和と時代は変わりました。
仕事に対する価値観も、働き方も大きく変化しています。
これからの時代、効率化することも、人に優しい職場や社会をつくっていくことも、とても大切なことだと思います。
私自身、医院を経営する立場として、そのことは大切にしていきたいと思っています。
その一方で、今回さまざまな分野で一流と言われる方々のお話を聴きながら、共通して感じたことがありました。
表からは見えないところで、
圧倒的な時間をかけて考え、努力し、試行錯誤を繰り返している。
華やかに見える結果の裏側に、人には見えない積み重ねがある。
それは時代が変わっても、変わらないものなのかもしれません。
「仕事」ではなく、自分の「人生」として
もちろん、すべての人が同じ働き方をする必要はないと思います。
価値観も人生も人それぞれです。
ただ、少なくとも自分自身については、
歯科医師という仕事を、単なる「仕事」としてだけではなく、自分の人生の大切な一部として向き合っていきたい。
そう思っています。
効率よく学ぶことも大切です。
無理をし続けることが良いとも思いません。
それでも、自分が本当に身につけたいと思ったことに対して、必死になって考え、悩み、時間を使い、夢中になって取り組む。
そこからしか得られないものも、やはりあるように私は感じています。
すぐに結果が出なくてもいい。
遠回りに見えることもある。
それでも、夢中になって打ち込んだ時間は、少しずつ自分の中に積み重なっていくのだと思います。
学び続けることを、患者さんへ還元する
講習会や勉強会へ参加すること自体が目的ではありません。
どれだけ多くのセミナーへ参加しても、それが日々の診療に生かされなければ意味がありません。
学んだことを医院へ持ち帰り、
診査・診断を見直す。
治療計画をもう一度考える。
スタッフと共有する。
そして目の前の患者さんに、自分たちが考えられるより良い治療として還元していく。
そこまでできて、初めて「学んだ」と言えるのではないかと思っています。
また来年、この場所に戻ってくるまで
3年前、この場所で感じた、
「時間は有限」
という言葉。
3年経った今、その意味を以前より強く感じています。
年齢を重ねることを止めることはできません。
だからこそ、焦るのではなく、一日一日を大切にする。
昨日より少しでも前へ。
できなかったことが一つできるようになる。
分からなかったことを一つ理解する。
患者さんの治療について、もう一歩深く考える。
その積み重ねを続けていきたいと思います。
まだまだ道半ばです。
学べば学ぶほど、先の長さを感じます。
でも、だからこそ面白いのかもしれません。
今回も、このような刺激をいただける場所に身を置かせていただけたこと、そして多くの学びを与えてくださった先生方、講師の皆様に心より感謝申し上げます。
また来年、このOB会に参加するときに、今の自分より少しでも成長した自分でいられるように。
これからの一年も、一日一日を大切に、患者さんにとって何が最良なのかを考え続けながら、諦めず、一歩一歩進んでいきたいと思います。









