仕上げ磨きについて~歯が生えてからイヤイヤ期まで~
2024年12月10日
仕上げ磨きについて ~歯が生えてからイヤイヤ期まで~
大切なお子様の歯はいつまでも健康な歯のままでいてほしいですね。
でもイヤイヤ期になると、思うように仕上げ磨きができなくなることもあります。
今回は、歯が生えてからイヤイヤ期までの仕上げ磨きのポイントをご紹介させていただきます。
乳歯はいつから生えるのでしょうか?
乳歯は上下合わせて20本です。ちなみに、永久歯は親知らずを除いて上下合わせて28本です。
早いお子様では、生後5か月ごろに下の前歯から生えはじめます。
時期や順序は個人差があるため、下記に記載されている月齢に当てはまらなくても過度に心配する必要はありません。ただ、時々歯が生えてくるのを妨げるような要因が隠れていることもありますので、歯科医院で定期的に診てもらう事が大切です。
仕上げ磨きの目的について
歯が生えてきたら、虫歯予防が目的の一つになります。
ただし、乳児期では、虫歯予防だけが目的ではありません。
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虫歯予防になります!
虫歯は、4つの条件がそろって発症すると言われています。その4つの条件とは、【歯質】【糖分】【虫歯菌(プラーク)】【時間の経過】です。
歯が生えてからイヤイヤ期のお子様は特に注意したいのは【糖分】です。
小さい頃から食生活に気をつける事がとても重要です。
ジュースやお菓子などに気をつけていれば、虫歯になる心配は少なくなるでしょう。
そのうえで日々のお口のケアで【プラーク】を減らしていきましょう。
また、虫歯予防には、フッ素配合歯磨き剤を使用することがとても大切になります。
歯が生えてからは1000ppm以下のフッ素歯磨き剤を使用しましょう。
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お口に触れられる抵抗をなくします!
生まれたばかりの赤ちゃんは、唇を触れられたり、異物がお口の中に入ることを嫌がります。何かがお口の中に入ろうとすると反射的に舌で押し出そうとしたりします。
これは原始反射の一つであり、赤ちゃんに元々備わっている反応です。
原始反射が続くと、今後の食事や歯磨きの時にお子様が嫌がってしまい、困ってしまうかもしれません。
お子様の成長に伴って、繰り返しお口への様々な刺激が加わる事で、原子反射は徐々に消失していきます。
その為に、歯が生える前から唇や頬などお口周りのマッサージをしていきますが、歯が生えたらすぐに辞めるのではなく、しばらくは続けていただき、お口に触れられる抵抗を減らしていきましょう。
お口に触れられることに慣れる為にも仕上げ磨きは、とってもいい刺激になります。
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唾液をたくさん出す!
親御さんの指や歯ブラシがお口の中を触れたりすることで、刺激され唾液がたくさん出てきます。
唾液には虫歯予防の効果もあります。その他にも様々な効果を持ち合わせています。
歯が生えてから2歳までの仕上げ磨きのポイント
毛が軟らかく毛先が山型のタフトブラシがおすすめです。
前歯が1~2mmほど生えている場合は、ブラシ部分が細くなったタフトブラシを使って、優しく歯を磨きましょう。
磨く際は、毛先を歯に当てて細かく動かしましょう!
うがいができるようになれば毎回ケア時に、1000ppm以下のフッ素配合歯磨き剤を米粒程度(1~2mm)使用しましょう。
また、うがいが不要のフッ素ジェルもおすすめです。
ヘッドが小さく毛の軟らかい仕上げ磨き用の歯ブラシがおすすめです。
上唇をめくると唇から歯茎にかけてスジ(上唇小帯)が縦にありますが、そのスジになるべく当たらないように歯ブラシで磨きます。
上唇を軽くめくったまま、歯ブラシを縦にして、力をいれずに1本ずつ細かく動かして磨きましょう!
注意点は、上唇の裏のスジが大きいお子様は、歯ブラシがスジに当たると痛がり、歯磨き嫌いになるかもしれません。
また、スジが大きいと汚れがたまりやすいので、注意して磨いてあげましょう。
スジがほとんどないお子様は、歯ブラシを横にして磨いてもよいです。
ヘッドが小さく毛にコシのある歯ブラシ+毛先が山型のタフトブラシ+フロスがおすすめです。
奥歯も生えてくる時期になると、様々な物を食べていると思います。特に隙間のない上の前歯の歯と歯の間は、虫歯になりやすいです。歯ブラシをしっかりと当てましょう。
歯ブラシの毛先が歯のプラークを落とせるよう、歯ブラシはコシのあるものを選びましょう。
生えかけの奥歯はタフトブラシを使用して、細かく動かして磨いてください。
奥歯がしっかり生えてきたらフロスを使いましょう。前歯に隙間がないお子様は前歯にもフロスを取り入れましょう。
前歯は外側と内側(舌側)だけですが、奥歯は外側と内側の他に上下の歯の噛み合う面も磨きましょう。
2歳くらいになったら、お子様本人にも磨いてもらいましょう。
その際、鏡を見ながらだと、興味がわきやすいです。もちろん、その後の仕上げ磨きも大事です。
なお、お子様自身で磨く時は、目を離さないよう十分に注意してください。
立ち歩きしながらの使用は避けなければなりません。
仕上げ磨きのQ&A
Q:仕上げ磨きの時に子供が歯ブラシを噛んでしまいます。どうしたらよいのでしょうか?
A:ずっとお口を開けていると、お子様も疲れてしまします。そこでガーゼを巻いた割りばしを前歯で噛ませましょう。何かを噛んでいるほうがお子様は楽だからです。
歯ブラシを舌で押し出そうとする場合も、ガーゼを巻いた割りばしで舌を軽くおさえ、 その間に歯磨きをするとよいでしょう。
Q:イヤイヤ期になり、思うように歯磨きをさせてもらえません。どうしたらいいでしょうか?
A:本来は寝る前にしっかり全体を磨きたいところですが、2歳位のお子様では、思うように磨けないときもあるでしょう。そういった時は、上の歯は夜、下の歯は朝など、歯磨きするタイミングを分け、1日1回はトータルでお口全体にケアがゆきとどくようにしましょう。半分でしたら1回にかかる時間が短くてすみます。
Q:全体を磨いているつもりだけど、子供が動くし、ちゃんと磨けているかわからないです。
どうしたらよいでしょうか?
A:磨く順番を決めておくと、磨き残しをおさえられると思います。
同じ歯から毎回スタートし、全ての歯を網羅するようにしていきます。特に奥歯は、歯の外側・内側(舌側)のほかに、上下の噛み合う部分も忘れないようにしましょう。
順番を決めておくことは、お子様が自分で磨く時にも有効です。順番を記入したシートをお子様と一緒に作っておき、歯磨き時に一緒に確認しながら行うとよいでしょう。
いかがでしたでしょうか?
歯が生えてからイヤイヤ期までの仕上げ磨きのポイントをご紹介させていただきました。
歯科医院では、お子様一人一人にあったケア方法を指導しています。
仕上げ磨きのポイントも実際に歯科医師や歯科衛生士よりお子様の口腔内を確認しながら
指導させていただきます。
そして、小さいうちから歯科医院で診てもらっていれば、虫歯以外のお口の問題の早期発見
にもつながります。
そして、お口に関する悩みはお気軽に相談していただき、一人で抱え込まないようにしてく
ださいね。