歯科の訪問診療について
2024年8月15日
ご存じでしょうか?歯科の訪問診療について。
加齢やご病気によって歯科医院へ通えなくなった方の為に、歯科医院では【訪問診療】を行っていることはご存じでしょうか?
入れ歯の修理や調整、虫歯や歯周病の治療をプロの歯科医師や歯科衛生士にて行い、歯科医院で受けるのと同じ種類の治療が、ご自宅でも受けられるのです。
患者さんとご家族に幸せを運ぶ【歯科の訪問診療】についてご紹介させていただきます。
通えなくなった患者さんのもとへ
厚生労働省によれば、要介護(要支援)認定を受けている方の数は、2019年3月末時点で658万人。75歳以上の後期高齢者の増加とともに、2040年には950万人を超えると予想されています。
ですが、一方で歯科受診率は75~79歳をピークに急速に減少しているのが現状です。
虫歯や歯周病、入れ歯のトラブルなど、お口に問題を抱えているのに、適切な歯科治療を受けることができないままの方が、数百万人はいると考えられています。
・おじいちゃんやおばあちゃんが入れ歯が痛くて、ご飯が食べにくい
・飲み込みにくくて、食べるのがしんどそう
・口臭がする
など、大切な家族が困っていても歯科医院に連れて行くのはとても大変なことですよね。
そうしたお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
どうにかしたいと思いながらも、食事や着替え、お風呂やトイレなど身体のお世話で忙しく、お口の中まで手が回らないことも多いでしょう。
そんな時は是非、歯科医院に頼ってください。
通院が困難な方のために、医科だけではなく歯科も訪問診療を行っています。
歯科の訪問診療とはどんなものなのでしょうか?
*訪問診療は保険適用です。保険診療でお伺いできる範囲は、歯科医院から半径16km以内となっています。
*ご家族やケアマネージャーなどから依頼を受け、歯科医師や歯科衛生士がお伺いします。
*主治医やケアマネージャー、他の介護職と患者さんの情報を共有したうえで、連携しながら診療にあたります。
Q:高齢者施設で暮らしているけど来てもらえますか?
A:特別養護老人ホームや介護老人保健施設に入所している方も訪問診療を利用できます。
施設ごとに協力歯科医院が登録されていますので、施設のスタッフにご相談してください。
Q:どのくらいの歯科医院が実施していますか?
A:外来患者さんの診療に専念しているところも多いため、全ての歯科医院が実施しているわけではありません。全国に約6万8000軒ある歯科医院のうち、訪問診療の実績があるのは約1万3000軒となります。
しぎの歯科では訪問診療を行っております。
Q:どういった人が利用できますか?
A:歯科医院への「通院が困難な方」が対象です。病気や体力の低下、認知症などで介護を受けている高齢の方に限らず、障害をお持ちで通院が困難な方も対象となります。
どんな治療をしてもらえるのでしょうか?
歯科医院の「外」で行う訪問診療。設備や環境の違いはありますが、受けられる治療の種類は、歯科医院とほぼ変わりません。
一番のニーズが多いのは入れ歯関連です。
入れ歯が割れてしまった・人工歯が抜けた・入れ歯が合わなくて食べられないといったご相談をよく受けます。
また、ご家族や介護士さんの歯磨きでは、お口を綺麗にするのは中々難しく、プラークや歯石が溜まり、そこから歯周病になっている方も多くいらっしゃいます。
歯周病は万病の元。動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病など、全身の病気に関連するといわれますし、お口の中がプラーク=細菌でいっぱいになると、誤嚥性肺炎のリスクも高まってしまいます。
ですので、入れ歯の調整・修理や虫歯や歯周病治療のほか、歯科衛生士による専門的なお口のクリーニングも受けられます。
残っている歯とともに、お口の粘膜や舌、入れ歯もすみずみまで綺麗に清掃させていただきます。
介護を受けてる方にとって、お口のクリーニングは、単に虫歯や歯周病を予防するだけのものではありません。
お口が清潔になると、命を奪いかねない誤嚥性肺炎のリスクの減少につながります。
患者さんのお口や身体の状態にあったケアの仕方もお教えしますので、是非参考にしてみてくださいね。
プロのケアはいいことだらけです!
*誤嚥性肺炎のリスクの減少
誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液に含まれた細菌が誤って気管に入り、肺で繁殖する事で起こります。口腔ケアでプラークや歯石を除去し、綺麗にすることでお口の中の細菌が減るため、唾液が肺に入っても誤嚥性肺炎を起こす可能性が少なくなります。
体力の低下している方ほど、肺炎などの感染症を起こしやすいので、口腔ケアはより大切といえます。
*お口のにおいが減ります!
口臭はお口の中に溜まった食べかすやプラーク、歯石が主な原因です。
歯がない方でも、歯や歯茎や頬や口蓋の粘膜に微生物が繁殖しますし、入れ歯にもプラークはつきます。
また、歯周病菌は強いにおいを出すので、歯周病もにおいの元です。
歯周病の治療と口腔ケアを受ければ、口臭は劇的に減ります。
患者さん自身はもちろん快適ですし、介護をされるご家族にも嬉しいですね。
実際の訪問診療はどのように進むのでしょうか?
訪問診療は、ご家族や患者さんご本人、ケアマネージャーからの依頼からはじまります。
歯科医院での受診と異なり、訪問診療は医療者が患者さんの生活の場に入ります。
ですから、まずは患者さんに受け入れてもらうことからはじめます。
いきなり「歯医者です。お口を開けてくださいね。」ではなく、きちんとご挨拶をして、患者さんの様子とお困りごとを確認し、今日の訪問の意図をご理解いただいてから、お口の中を診させていただきます。
唇がガサガサで痛くてお口が開けられないのなら、口腔ケア用のジェルを塗らせていただいたり、ご家族以外に触れられることに抵抗があるようでしたら、お話をしながら少しずつお口まわりに触れて、緊張をほぐしていきます。
お口の中の状態を確認できたら、検査の結果を説明し、患者さんの健康状態やご都合を考慮して治療計画を立てます。
ご了承いただけたら、いよいよ治療や口腔ケアに入ります。
患者さんの持病、服薬の影響、体調によっては難しい治療もありますので、主治医やケアマネージャーと情報を共有しつつ、無理のない範囲で進めます。
1日で終わらせるのが難しいときは、数回に分けて行います。
ただし、歯が折れて歯茎に刺さっているなど、緊急性のあるときは、ご家族の同意のうえ、その日のうちに治療を行います。
治療はできるだけ短時間ですむように努めます。
治療が終わったら、お口のトラブルが再発しないよう、患者さんが快適に過ごせるよう、定期的な検診と口腔ケアを提案させていただきます。
定期的に訪問させていただくなかで、唇や頬、舌を動かしたり、飲み込む練習をしたり、飲み込む練習をしたりと、お口の機能リハビリや、安全に食べれる食形態や食環境のアドバイスもさせていただきます。
いかがでしたでしょうか?
歯科医院で行う訪問診療についてご紹介をさせていただきました。
大切なご家族でお困りの方がいらっしゃいましたら、現在、しぎの歯科では、訪問診療を行っておりますので、お気軽のご相談してくださいね。