歯を失う原因No1!歯周病について知りましょう!後編

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歯を失う原因No1!歯周病について知りましょう!後編

2024年7月7日

歯を失う原因No1!歯周病について知りましょう!後編

前回は、歯を失う原因No,1の歯周病がどんなものなのかを知っていただいたので今回は

「歯周病はどうやって治療するのか」について詳しくご紹介させていただきます。

歯周病治療をする際にとても大切な事があります。

歯周病は歯科医院だけでは治す事ができません。

歯科医院なのに何故?と思われる方も多いと思いますが歯周病治療では患者さんと歯科医院が両方で力を合わせて治療する事がとても大切なのです。

 

まず初めにご質問です。下記で当てはまる項目はありますか?

□歯磨き中によく血がでる

□口臭がする

□タバコを吸っている

□糖尿病である

□家族に歯周病の人がいる

□歯磨きには時間をかけないほうだ

□歯間ブラシやデンタルフロスは使用しない

□歯ブラシの交換は年に2~3回だけ

□35歳以上である

□疲労やストレスが溜まりがち

□歯科院に定期的に通っていない

 

いかがでしたでしょうか?

前編でお話した内容も記載されていましたね。

実は上記の項目で

□歯磨き中によく血がでる

□口臭がする

のどちらかでも1つチェックが入った方は歯周病になっている可能性が大きいです。

早めの歯科医院の受診をお勧めいたします。

 

それでは、本題の歯周病治療についてお話していきます。

一般的な歯科医院での歯周病治療の流れについてご紹介いたします。

初診時の問診・診察・検査を行います。

歯周病の検査ってどんな事をするのでしょうか?

歯科医院を受診した際に、歯茎をチクチクする検査をされた事はありませんか?

実はチクチクの正体は歯周病の検査をしています。

歯と歯茎の隙間である歯肉溝(歯周ポケット)の深さを“プローブ”という専用の器具を用いて、測定を行います。

  • ~2mm   健康な状態
  • 2~6mm   歯周病の可能性がある
  • 6mm以上  歯周病が進行している可能性がある

また、深さ以外にも出血の有無・歯が動揺していないかを併せて検査していきます。

これらを“プロービング検査”といいます。

そして、レントゲン写真で歯を支える歯槽骨の状態を確認する“レントゲン検査”、歯周病の原因となるプラークの付着状況を調べる検査を行います。

 

歯周病が進行し、歯周ポケットが深くなっていたり炎症が起きている方ほど、検査の時にチクチクと痛みを感じやすくなります。

歯周病治療をしっかり行い、炎症がなくなり歯茎も引き締まると検査のチクチクする痛みもなくなっていきます。

歯周病検査のイメージ

診断・治療方針をご提案します

上記の検査結果を元に健康な歯肉・歯肉炎・軽度歯周炎・中等度歯周炎・重度歯周炎と診断を行います。

検査結果によりそれぞれ行う歯周病治療が異なってきます。

歯周病の進行イメージ

治療開始

健康な歯肉・歯肉炎・軽度歯周炎であれば、歯周ポケットも深くなく縁上と呼ばれる歯茎の上に付着したプラークや歯石の除去と歯ブラシ指導を行います。

その後は、自宅でのセルフケアと定期的なメンテナンスを受けていただく事で歯周病の進行を防ぐ事ができます。

 

では、中等度歯周炎・重度歯周炎の場合はどうなるのでしょうか?

上記と同じように縁上と呼ばれる歯茎の上に付着したプラークや歯石の除去と歯ブラシ指導を行います。

その後に、再度精密な歯周ポケットの検査を行います。

検査結果を元に、縁下と呼ばれる歯茎の下に付着したプラークや歯石を除去してきます。

歯周ポケットが深ければ深いほど歯石は奥の方に付着しています。

除去する際に痛みを生じる場合は部分的に歯科用麻酔をして除去していくこともあります。

縁下の歯石除去が完了後に、再度精密な歯周ポケットの検査を行い改善状態を診断させていただき今後の方針のご相談をさせていただきます。

 

軽度な症状でも重度な症状であっても共通しているのは、歯周病治療の2本の柱です。

歯周病治療の2本の柱⑴【歯科医院によるプロフェッショナルケア】

毎日歯磨きをしていても、歯周ポケットの中をはじめ、どうしても磨き残されてしまうプラークはあります。

また、長期間磨き残されたプラークが変化した歯石は、硬く付着するため歯ブラシでは除去できません。

歯周病になって出血や腫れるなどの炎症が起きている歯茎には、必ずその付近に歯石があります。

そうしたプラークや歯石は、歯科医院のプロフェッショナルケアで除去してもらいましょう。

歯科衛生士によるプロの技!

歯周ポケットの中に溜まったプラークや歯石がなくならないことには、歯周病はよくはなりません。

しかし、歯周ポケットの中には歯ブラシは届きません。

そこで、歯科衛生士の専門的な技術の出番となります。「スケーラー」という器具を用いて、歯を傷つけないように細心の注意を払いながら、歯周ポケットの中の歯石を除去していきます。

歯周病治療の2本の柱⑵【セルフケアのレベルアップ】

歯周病は、歯の根元周りに付着したプラーク(細菌の塊)により、歯を支える顎の骨や歯茎が破壊されていってしまう病気です。

歯周病になってしまった場所はプラークが長期間磨き残されていた場所ですから、歯周病治療には歯周病になってしまった場所のプラークを落とす&そこに新たなプラークを溜めない事がとても大切です。

その為には、第一に患者さん自身のセルフケアのレベルアップが必要不可欠となります。

レベルアップした歯磨きを身に着けて、それを継続していきましょう。

また、歯周病の原因となる生活習慣や習癖の改善も併せて行いましょう。

(喫煙・肥満・過度な飲酒・寝不足・歯ぎしり・頬づえなど)

歯科医院で行うプロフェッショナルなケアは毎日受ける事ができません。

365日の中で毎日行うのは自分自身のセルフケアです。

ですので、治療の主役は“あなた”なのです。

歯科医院は主役をサポートする存在なのです。

メンテナンス

歯周病の治療後は、メンテナンスへ進みます。

一度進行が止まっても、油断したら再発してしまうのが歯周病です。

プラークや歯石が長期間溜まると、そこからまた歯周病になります。

おまけに発症した時と同じく痛みもありません。

その為に、再発していないかを定期的に歯科医院で診てもらい普段ご自身では取り切れないプラークや歯石をプロフェッショナルケアで除去してもらいましょう。

歯周病の進行度合いやその人のセルフケアのレベルにもよりますが、治療開始から3~6ケ月ほどでメンテナンスに移行する人が多いようです。

ただ、歯周病には“完治”というものがありません。

歯周病の進行が止まっても、歯周病菌は根絶されたわけではなく、潜伏しているだけです。

メンテナンスの間隔は3~4か月を推奨しています。

メンテナンスをしている様子

重度の歯周炎でも全て良くなるの?

検査結果により、既に歯周病が進行し歯の保存ができない場合もあります。

また、歯周病の基本的な治療では、歯茎がよくならない場合もあります。

そうした場合は、歯周外科治療を行うこともあります。

歯周ポケットの奥深くに溜まったプラークや歯石には、専用の歯石除去の器具を使用しても届かない場合もあります。

プラークや歯石が残っている限り、いつまでたっても歯周病はよくなりません。

そこで、歯茎を切り開いて、そこに溜まったプラークや歯石を徹底的に取り除きます。

外科と聞いて怖さや拒否感を覚える方もいると思いますが、歯周病の進行を止めるために必須の治療です。

また、骨の状態により「歯周組織再生療法」という歯周病によって骨のなくなったところに再生材料を詰めて、組織の再生を促します。

 

いかがでしたでしょうか?

毎日何気なく行っている歯磨きが歯周病治療にとって一番大切な事なのがおわかりいただけましたでしょうか?

歯周病治療も進行の状態によって異なりますので、まずは歯科医院の受診していただき、ご自身の歯周病の状態を把握する事が歯周病治療の第一歩となります。

治療が終わっても、セルフケアのレベルアップとその継続・歯科医院への定期健診この2つが歯周病の再発を防ぐ為に重要な事です。

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