プレオルソってどんなもの?パート③
2024年6月3日
パート①では歯並びと悪い癖についてのお話、パート②ではプレオルソについてご紹介させていただきました。
今回パート③ではプレオルソと一緒にやっていただきたいお口周りの筋肉や舌のトレーニングについてご紹介させていただきます。
病気予防にもなるトレーニングもありますのでお子様だけではなくご家族みんなでやってみてはいかがでしょうか?
プレオルソを日中1時間+就寝時装着以外の時間帯で是非、取り組んでみましょう!
ステップ⓵あいうべ体操
皆さん、あいうべ体操というのはご存じでしょうか?
今井先生というお医者さんが考えた病気予防のための体操です。
テレビや雑誌にも出てくる有名なお口の体操です。
(考案者:今井一彰先生 みらいクリニック院長/福岡市)
*あいうべ体操のやり方
① 【あ】普段よりも大きめのお口を大きく開きます
② 【い】首の筋が張る位、お口を大きく横に広げます(口角(唇の端)を上方、後ろに引く)
③ 【う】しっかりお口を前に突き出します (お口周りの筋肉にキュッと力を入れる)
④ 【べ】顎の先をなめる感じで、舌を突き出してください
*舌を戻した先がしっかりスポットについているか確認します
上記のポイントを守り、できるだけ大げさにゆっくりと1セット4秒を意識して行います。
1日30セットが目標となります。
顎の痛みがある場合は【い】【う】のみでも大丈夫です。
お風呂やトイレなど親子でいつでもどこでも思い出したらやってみてください。
あいうべ体操をすることで、舌の筋力が上がり、意識しなくても下がっていた舌がスポットにつくようになります。すると、お口が閉じやすくなってきます。
舌の位置によって、唾液の分泌、歯槽膿漏、虫歯の状態まで変わっていきます。
口を閉じているときは、必ず舌の位置を意識するようにして下さい。
舌の位置が改善されることで、様々な症状が改善していきます。
舌の本来の位置は、上顎にぴたりとついている状態です。
舌の先が、前歯の裏に当たっていたり、舌の両側に歯型がついていたりする方は、舌の位置が低下しています。
【あいうべ】体操で、舌の位置を元通りにしていきましょう。
早い方で3週間、遅い方でも3か月程度で改善しますから、諦めずに頑張ってみてください。
ステップ⓶発音練習
最近では、さ行・た行を発音できない人が増えています。発音トレーニングを行うことで、舌を正しく使ったしゃべり方を身に着けます。
おしゃべりをする時に、舌を出してしゃべる癖がある人は、その癖をなおしていきましょう。
発音トレーニングも舌の位置がとても重要となります。
*発音練習のやり方
①舌をスポットにつけましょう。
②【さ・し・す・せ・そ】【す・し・さ・せ・そ】【た・ち・つ・て・と】【つ・ち・た・て・と】と舌をスポットにつけたまま発音してください。
この時にお口をしっかり動かして発音してください。
*正しく舌がスポットについている状態で発音するとこもったように音が聞こえるので、その点を意識して行いましょう!
*1日5セットを目標に頑張ってみましょう!
上記ができたらレベルアップします。
- 舌をスポットにつけましょう
- 単語【さかな】【しんぶん】【すずめ】【せっけん】【そうげん】のさ行の部分のみ舌をスポットにつけて発音します。さ行以外はスポットから舌をはなして発音します。
- 単語【たいや】【ちきゅう】【つり】【てんと】【とけい】のた行の部分のみ舌をスポットにつけて発音します。た行以外はスポットから舌をはなして発音します。
*さ行・た行共に1日5セットを目標に頑張ってみましょう!
ステップ⓷嚥下練習(スワローニング)
嚥下とは飲み込む事です。
舌に悪い癖がある人は、飲み込む度に舌で前歯を押してしまうことがあります。
舌の悪い癖をなおし、正しい飲み込み方を覚えましょう。
ここでも舌の位置がとても重要になります。
*嚥下練習のやり方
①舌の先はスポットにつけたまま、水を舌と上顎との間に溜めてください。(水は少量でOK)
②お口は【い】の状態にします。
- 飲み込む際は、喉の筋肉をしっかり使って飲み込みます。
注意:飲み込む時は、顎が上向きにならないようにしてください。
顎は少し引き気味で、目標は正面を向いたまま飲み込めるようになりましょう。
このトレーニングは難しいため、いずれも最初からできない事が多いです。
初めのうちはお口からお水が出てしまう事もありますのでタオルを敷くことと、お風呂場等で行うと良いでしょう。
このトレーニングは普段、お茶やお水を飲む時に行いましょう。
トレーニングで覚えた舌の位置やお口周りの筋肉のバランスを保ち、日常生活の中で正しい飲み込み方法を習慣つけれるようになりましょう。
上記のようなステップ⓵~⓷までを1年間プレオルソの検診の際にお子様と一緒にトレーニングを行います。
プレオルソを日中1時間装着+就寝時の装着+あいうべ体操・発音練習・嚥下練習を毎日行う事を目標にしていただきます。
いずれもお子様1人では、忘れてしまうこと・モチベーションが下がってしまうこと・正しい方法でできていないことなどがあるのでご両親も是非、参加して声掛けや一緒にやってみるなどお子様のサポートをしてあげてください。
口トレ遊びってご存じですか?
口トレ遊びは、楽しく気軽に日常生活でできることでお子様も楽しんで取り組んでもらえます。
風船ガム
風船ガムの効果→風船ガムによる年長児のお口の機能アップ効果を調査した研究があります。(小児歯科医師・徳永順一郎先生による)風船ガムを噛み、膨らませるという取り組みを月に2回、約1年間続けました。
開始当初は大きなサイズの風船を膨らませられる子供はわずか6.3%で、風船を作れない子供も多くいました。
しかし、1年後には、大きなサイズの風船を作れる子供は41.6%になりました。
この調査で、お口を閉じる力もアップしていました!
遊び方は簡単です!
用意する物:キシリトールガム(虫歯になりにくいキシリトール配合のガムがおすすめです)
- ガムをよく噛み、丸い形を作ります。
- ガムを舌の上でうすく伸ばします。
- ガムの真ん中に舌をいれます。
- 舌を手前に少し引いて、息を吹き込みます。
- 風船のできあがり!
風船ガムは、膨らませれない子供でも楽しんで取り組めます。
効果もあって、楽しい!これこそが継続の秘訣ですね。
ピロピロ(吹き戻し)
昔からあるピロピロ(吹き戻し)。最近では美容や医療・介護現場向けのトレーニングツールとして活用されています。
おもちゃのピロピロとは違ってピロピロの伸びる部分にワイヤーが入っており、負担がかかるようになっています。
ピロピロを吹くだけでもトレーニングにはなりますが、お子様が楽しみながらするのであれば遊びを交えて行う事をおすすめします!
・ピロピロティッシュつかみ
ティッシュペーパーを投げて、ピロピロでキャッチするゲームです。
(中澤桂一郎先生考案のゲームです。 利根保健生活協会組合利根歯科診療所 所長)
・ピロピロボーリング
おもちゃのミニボーリングのボールを投げるのではなく、ピロピロで吹きボールを飛ばします。ご家族でスコアを競い合ってみましょう。
ストロー遊び
ご自宅にあるもので簡単にできるのは、ストローを使った口トレです。
・ストロー魚釣り
紙で作った魚を、ストローを吸ってつります。
・ストロー射的
紙コップなどで作った的をストローを吹いて倒します。
いかがでしたでしょうか?
今回は、お口周りのトレーニングを中心にご紹介させていただきました。
簡単に遊びながらできるものから実際にやってみたら難しいのもあります。
矯正装置で歯が動いてもお口周りの筋力がないと後戻りの原因にもなります。
是非、ご家族で楽しみながら口トレを実践してみてくださいね。
全三回で、歯並びについて・プレオルソについて・口トレについてご紹介させていただきました。