インプラント治療について知りましょう!パート②
2024年2月27日
前回は「インプラント治療でよくある質問」をテーマにお話しさせて頂きました。
まだ読まれてない方は是非、そちらも読んでみて下さいね。
今回は、「インプラント治療の流れ」についてお話させて頂きますので是非、参考にしてみてくださいね。
インプラント治療の流れについて
①相談と検査
まず初めに、相談と必要に応じて各種の検査を行います。
- ・患者様の主訴と希望のご確認
- ・お身体の健康状態、既往歴やお薬等服用についての問診
- ・レントゲンやCT等必要項目の検査
上記を行い、インプラント治療適応か精密に診断をさせていただきます。
*インプラント無料相談希望の方は、簡易の検査のみとさせて頂きます。
無料相談後にインプラント希望の場合や更に詳しく検査希望の場合は、上記の内容の検査を実施させて頂きます。
②診断と説明
予備治療、手術の方法や回数、治療期間等についてご説明させて頂きます。
治療計画に応じて、各種お見積りをご提示致します。
患者様とご相談の上、最終的な治療方法を決定します。
*納得できるまでじっくり検討してください。
③治療方法が決定後にインプラント治療の同意書作成
治療方法が決定しましたら契約をさせて頂きます。
契約に伴い、施術者より同意書のご説明をさせて頂きます。
また、インプラントOPEの日程調整も行います。
④インプラント治療前の予備治療
インプラントがすぐにできない場合もあります。
事前に虫歯治療や歯のクリーニングを行い、口腔内の環境を良くしてからインプラントの埋入手術を行います。
他には、矯正治療や再生療法など口腔内の状況によりインプラントを入れる為に必要な予備治療もあります。
予備治療について、詳しくご紹介させていただきますね。
インプラントを埋入する前には、下準備として【お口の環境整備】が必須です。
炎症は徹底して取り除き、足りない骨は再生療法で増やす事が必要になります。
もちろん全ての方に必要なわけではありません。
炎症もなく骨量も十分で、条件的に問題なければ、予備治療が必要ない場合もあります。
予備治療
代表的な予備治療として3つご紹介致します。
*1つ目 歯周病を治す予備治療
そもそも歯を失った原因によっては、インプラント治療を不利にする状況がお口の中に生じていることが少なくなく、予備治療が必要になるケースは珍しくありません。
例えば、歯周病で歯を失った場合、その周りの歯にも大なり小なり歯周病の炎症が起きています。
そこで、まずは歯周病をしっかりと治療して炎症を止めなければなりません。
周りに細菌感染があると、インプラントを埋入してもその細菌がインプラントの周りの骨に感染しかねないです。感染してしまうと顎の骨とインプラント体は結合が上手くいかなくなってしまいます。
それゆれ、「歯周初期治療」にて歯にこびりついて炎症を起こしているプラークと歯石を取り除き、歯周病の炎症をとめる必要があります。
歯周初期治療だけでは取りきれないほど歯周ポケットが深くなり、奥まで汚れが入り込み炎症を進んでしまった場合は、「歯周外科治療」が必要になる場合もあります。
歯茎を切開し、奥深く隠れたプラークと歯石を徹底的に取り除いて炎症を止めます。
*2つ目 足りない骨をつくる予備治療
歯を失うほど歯周病が進行した方の顎の骨は、炎症によって減ってしまっています。ンプラントを安定させる為の骨が足りない場合は再生療法を行い、顎の骨を増やす必要があります。
再生療法とは骨造成(GBR)と呼ばれる人工骨や自家骨を足りない部分に足して、安着し安定するのを待ちます。
方法は症例により異なりますが、抜歯後の1ケ月後に処置をする場合やインプラント埋入と同時に行うなど様々です。
*3つ目 矯正治療が必要になる時もあります
インプラントは、一旦顎の骨と結合するとがっちり固定されて動きません。
インプラントを入れた後ではインプラントの部分の矯正治療が出来なくなってしまいます。
矯正治療希望の方は、インプラント治療前に必ずご相談下さい。
また、矯正を希望していないケースでも歯を失った後、長期に渡り放置してしまい、隣り合う歯や対合歯が伸びたり、倒れ込んでしまうケースもあります。
インプラントを入れるスペースが確保できない場合は、矯正治療にて倒れ込んだ歯を起こしたりする必要があります。
もしくは、矯正が出来ない場合は歯を削ったり、神経の治療をして被せ物にしたりする予備治療が必要になります。
⑤インプラントの埋入OPE
インプラント治療には、一次手術+二次手術と2回の手術を行う「2回法」と、1回の手術ですませる「1回法」があります。
2回法は、インプラント埋入後に一旦歯茎を閉じてインプラント体と顎の骨の結合を待ち、その後2度目の手術(2次OPE)をしてインプラントの頭を出し、アバットメントを取り付ける方法です。
それに対して、1回法はインプラント埋入と同時にアバットメントを取り付ける方法です。
手術が1度ですみ、2回法に比べて治療期間を短縮する事ができます。
1回法か2回法が適用されるケースかは事前の検査により治療計画のご説明を行います。
一般的には、適用症例が多いのは2回法です。
より慎重に治療を進めたい場合に用いられます。
前歯の審美治療、再生療法が必要な方、持病のある方、タバコを吸う方などは、通常2回法が適応されます。
1回法は、比較的治療条件のよいケースで選択されます。
どちらも手術時間は術前の消毒・血圧測定から術後の説明まで含めて約2時間程となります。
症例や本数により時間は前後します。
手術時間も予め、ご説明させていただきます。
*下記からは2回法での治療の流れを記載させていただきます。
ⅰ 消毒と抜糸
術後は傷口の確認及び消毒が必要になります。
基本的には手術後の翌日に消毒にご来院頂きます。
感染の有無や腫れなどご確認させて頂きます。
問題なければ1~2週間開けて抜糸を行います。
万が一、感染や痛みの症状が強い場合は間隔を短くして消毒にご来院頂く場合もございます。
ⅱ 経過観察
処置後、1ケ月毎にレントゲンにて骨とインプラント体の結合を確認します。2回法にてOPEをしている場合はレントゲンにて2次OPEの時期を確定します。
*この期間は個人差がございます。
ⅲ 2次OPE
インプラントの頭を出し、アバットメントを取り付けます。
粘膜の治癒を待ちます。
*場合により、上部構造完成の前に仮歯を作製する場合もあります。
仮歯がある場合は、かみ合わせの修正や試適など行います。
ⅳ 上部構造の型取り・完成
型取りを行い、上部構造を作製し、装着します。
ⅴ 装着後、2週間~1ケ月後に経過観察
装着後、しっかり噛めているか、歯肉に炎症が起きていないかなど視診、レントゲン検査を行います。
問題がなければ定期メンテナンスとなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はインプラントの治療の流れをお話させていただきました。
治療の流れはイメージできましたか?
患者様それぞれの口腔内の状態は異なりますので、治療内容や期間は異なる場合もあります。
インプラント治療開始前に、しっかりとした検査と診断を行い、事前に患者様の口腔内で対応できる治療方法・治療期間をご提案させていただきます。
次回は、「インプラント治療終了後の定期メンテナンス」のお話をさせて頂きます。
トラブルなく長く良い状態でインプラントを長持ちさせるにはどうしたらいいのか等を詳しくご紹介させて頂きますので次回もお楽しみにして下さいね。