虫歯の種類
2014年8月20日
『先生、虫歯なんですが、そのくらい治療期間、回数がかかりますか?』
初診で来られた方がよくご質問されること内容の一つです。
その心理的背景には
何回も治療回数がかかり、面倒。
いっぺんに治療が進まない。
見通しがたちにくいなど
今までの我々
歯科医師の説明が不足またはわかりにくい状況が多く影響していると考えられます。
歯科医師としても出来るだけ早く、痛みを取ってあげたい、
治療回数も少なくしたい。
どのくらいで治療が終わるか提示したい。
想いは同じで。
その中で、回数や期間に大きな影響を及ぼすのが
虫歯の大きさ、深度、感染の状況です。
一般的によく言われている
ムシ歯の進行についてご説明させていただきます。
一般的にC0からC4と5つの分類があります。数字が大きい程
歯の中に深く進行していきます。
C0:歯の表面(エナメル質)が一時的に溶けている状態。歯の欠損は認めないため、あえて治療しなくても再石灰化という自己修復作用で、自然に治ってしまう可能性のある状態です。要観察歯とも言われ、学校の検診でも削らずに様子を診るという診断基準になっています。
C1:虫歯による歯の脱灰が歯の表面(エナメル質)にとどまったもの。症状として、まれに冷たいものがしみる程度でほとんど
無症状。治療法として白い樹脂などで穴を塞ぐ処置になります。
C2:虫歯による脱灰が象牙質まで進行したもの。症状として、歯がしみたり、ときどき痛みが出ることもあります。
治療法として、ウ蝕部分を削り、樹脂で埋める。範囲が広い場合、一度型を取ってから、金属やセラミックスなどを歯にいれる。
C3 歯髄炎:虫歯が進行して、歯髄(歯の神経)まで達しており、神経が生きている状況。症状として、冷たいもの、温かいものがしみたり、夜眠れないほどズキズキ強い痛みが出ます。治療法として、神経をとる処置を行い、状況に応じて、金属やセラミックスの被せものをおいれする。
C3 根尖性歯周炎:虫歯が進行して、歯髄(歯の神経)まで達しており。神経が死んでいる状況。症状として、噛んだら痛い。歯が浮いているような痛み。根の先の部分が腫れている感覚があります。治療法として、感染を起こした神経をとる処置を行い、根の炎症が収まった状況でお薬を充填し。状況に応じて、金属やセラミックスの被せものをお入れします。予後が悪い場合、抜歯となる場合もあります。
C4:虫歯が進行し、歯の頭の部分(歯冠部)が崩壊して根だけ残った状態。症状として、痛みはあまりなく、落ち着いていることが多い。治療法として基本的には歯の支えている骨よりも下にウ蝕を認めることから抜歯になります。(矯正、クラウンレングス、意図的再植などを用いて保存を試みる場合もあります)
虫歯の進行度によって、数字が大きくなればなるほど、治療期間、回数は多くなります。
虫歯が3本ありますと診断されてもC1とC3では、当然神経の処置を伴うため、C3の方が多く時間がかかることになります。
我々の仕事としては、まずは今後ウ蝕に再度罹患しないように、ウ蝕の原因が、清掃の問題なのか、歯の性状の問題なのか。不良な補綴物が原因なのか?食生活の問題点はないか?などの診断し、その上で
治療方法(材質、削除量)などを検討し、ご提案することになります。
最近では、昔にくらべ、接着セメントの性能が向上し、虫歯になるリスクはかなり減少しています。
(30後半以上の方はキャラメルなどを食べて、よく詰め物が外れることを経験されていると思いますが、ここ10年はかなり減っきていることを感じていると思います)
初めて、来院される患者様にとって、治療期間、回数に関して見通しを立てて治療に望みたいという気持ちは当然だと思います。
その中で、このウ蝕の進行状況に関しては、それぞれ、個人個人異なります。その中で、ウ蝕の進行状況、痛みの状況、見た目の優先度で考慮して治療をご提案させていただきます。