捕食
2015年5月21日
舩戸歯科医院しぎの歯科の尾崎です。
私は先日、勉強会に参加させていただきました。そこで学んで来た内容について少し触れさせて頂きたいと思います。
今回は、小さなお子様のかみ合わせについて考え、歯並びやかみ合わせに問題が出る前にその原因を追求し不正咬合を予防しようという趣旨でした。
さて皆様、安静にしている時舌の位置はどこにありますか。唇は閉じていますか。鼻と口のどちらで呼吸をしていますか。
このすべてが、不正咬合に影響を及ぼしている事はご存知でしたでしょうか。
本来、安静時には、舌は上あごに接しており、唇は軽く閉じていて、鼻呼吸を行っているはずです。しかし、そうでない方もおられるでしょう。
舌が下あごにある事を”低位舌”、鼻呼吸ではなく口で呼吸している事を”口呼吸”と呼びます。
この低位舌と口呼吸は、歯並びやかみ合わせに大きな影響を及ぼします。
”捕食”
食べ物をとらえるための行為。
実は乳児期に与える離乳食の与え方によって将来のお子様の歯並びやかみ合わせに影響が出るというのです。
お子様のおられるお母様、お父様はどのようにして離乳食をお子様のお口に運んでおられますか。
①お口の中にスプーンを入れる。
②下唇にスプーンをつける。
③下唇の前にスプーンを持っていく。
①は×、②は〇、③は◎だそうです。
理由はこうです。
①はお口の中まで離乳食が勝手に運ばれて来ることで、自ら口の周りの筋肉(口輪筋)を使い捕食することが出来ないのです。
一方で②は上唇を動かしてスプーンの上にある離乳食をとりにいかなければ、お口の中に食物を取り込むことができません。
また③は上唇と下唇の両方をしっかり動かして離乳食をとらえます。
この口の周りの筋肉や顔面の筋肉をよく動かして捕食する事こそが、筋肉の発達を促し、顎を正しい位置に誘導し、最終的にバランスのとれた位置に歯が並ぶ事につながっていくのです。
つまり、①のような離乳食の与え方をされていると、筋肉が発達せずお口がポカーンと開いたままの状態になり、上の前歯が出っ歯になり口呼吸の誘因につながります。
また口呼吸をする際には、人は舌を下あごにつけてしか行えなくなり、先ほどの低位舌の状態になっていくのです。
もし思い当たる方がおられましたら、是非改善してみてください。